そうなんだー。

私たちは日常生活の中で、他人と自分とを比較して、自分よりもできている人に嫉妬してしまうことがあります。たとえば「あの子はいつも要領いいのに、私は自己犠牲ばかり......」とか、「相手は褒められるのに、私は褒められない......」など。

こうした嫉妬は、一見、心が狭いことだと思われがちなのですが、実はそうではありません。心理学的に見れば、その裏には、複雑な自己犠牲が隠されているんですね。


嫉妬した自分を責めてはいけない

他人に対して嫉妬をしてしまうとき、私たちの心の中では2つのことが起きています。

・「あの人は出来ているけれど、私にはできない」
 という自分の行動に対する制限や禁止。
・「本当は私もあんなふうに出来たらいいのに......」という憧れの(羨ましい)気持ち。
自分も自由にあんな風にしたいけれど、行動できない、でもできたらいいのに......、そんな気持ちが混ざりあって、相手への嫉妬の感情に変わっているんですね。

だからこそ、自分の嫉妬に気づいたら、嫉妬した自分を責めるのではなく、「本当は、私はこの行動をしたいと思っていたんだ」という心の解放のチャンスだと思ってみましょう。

たとえば、女性らしく可愛らしく振る舞っている後輩を見たら、その後輩のように自分も可愛らしく振る舞ってみること。仕事で上手にリラックスしながら立ち振る舞っている人を見たら、自分自身も根を詰めることなく同じようにリラックスさせてみること。幸せそうにニコニコしている女性を見たら、自分自身が幸せになれるように、自分を満たすためのわがままを聞いてあげること。

このように、嫉妬した瞬間に「まだこの部分で自分を満たせていない」ということに気づき、自分に許可してあげてください。


あなたが抱く感情は大切なシグナル

過去、どんな経験があったとしても、あるいは他者から押しつけられた生き方があったとしても、それはあくまで過去に過ぎません。あなたのこれからの人生は、あなた自身が自由にする権利を持っています。

誰かの幸せを、指をくわえて見ているだけではなく、あなたが人生の主役として、女性としてもっと喜びを持って生きて良いですし、もっと苦しまずに自分を幸せにすることに意識を向けてあげていいのです。そして、あなたの人生はあなた自身が解放してあげることでしか、望むことは得られないのです。

自分の自由に責任を持つということは、自分の幸せに真剣であるということと同じ意味を持っています。
制限をかけていれば、その先の未来も同じ状況が続きます。でももし、あなたが自分に対して「もういいんだよ」と言ってあげることができたのなら、その瞬間にあなたの人生は「あなたが自由にしていいもの」に変わるのです。

あなたが抱く感情は、マイナス感情も含めて、すべてがあなたに必要なことを気づかせてくれる大切なシグナルです。見落とすことなく、そういった感情を上手に扱いながら、あなたの人生をより自由で素晴らしいものへと変えていってくださいね。

制限を外し、より自由に振る舞えるようになったあなたには、その自由にふさわしい縁が訪れることでしょう。

(斎藤芳乃)